区内唯一の牧場－小泉牧場／大泉学園

区内唯一の牧場に寄せられる苦情を聞いて爆笑した話

皆さんは、実は東京23区内に牧場があるのをご存じだろうか？（ちなみに私はつい最近まで知らなかった）

23区内に唯一存在する牧場がここ「小泉牧場」です。その名の通り小泉さんが経営する牧場。

行ってみて驚いたのだが、練馬区ということもあり、付近にはファミリー層が多い住宅街の中に埋もれているのである。今回は車で伺ったのだが、街の景色に溶け込みすぎていて一度気付かずスルーしてしまったほどだ。

ここで飼っているのは、乳牛として有名なホルスタイン種です。牛ちゃんは近くで見るととても可愛かった。あと豪快にうんちをまき散らしてるのもなかなか迫力があって面白い。

牧場主の方は大変気さくで人柄の良い方で、話しかけてみると色々とお話を聞かせてくださりました。

昭和10年に開業して以来ずっとここでやってきているそうなのですが、やはり大変なのは周辺の方との信頼の構築だそうです。

やはり畜産業ですから、牛の糞のにおいがどうしてもしてしまいます。以前は周りに特に何もなかったそうですが、急速に住宅地の開発が進み、あれよあれよという間に牧場の周りが家で取り囲まれていったそうです。そうなると付近の方から「臭い（クサい）」「汚い」などといった声が寄せられることが増え、非常に苦労したとのこと。向こうから近くに越してきたのにひどいもんだ。

そんな折に、学校関係者や地域の人々から牧場の見学や体験学習をしたいという話が来たそうです。それをきっかけに、地元の大泉小学校の子供たちを中心とした地域のひとたちと交流し、ふれあうことで畜産に対する理解が生まれ、この地域で生産を続けることができると思えてきたそうです。

それに気付いた小泉さんは、牧場を見学できる場として整え、安全対策や衛生管理などについてもこれまで以上の取り組みを行い、多くの人たちが畜産とふれあえる場に小泉牧場を変えていったそう。

非常に才気あふれる経営者です。

あと実はここ、牧場で絞った牛乳を使用したアイスも売っていて、これがまた美味いんです。

濃厚クリーミーで非常に美味い。味も色々と種類があり、お値段も300円とお買得。このアイスを食べながら牧場主さんとお話ししました。

最近の悩みの種は、もっぱらネット上の口コミだそう。あまりにも理不尽な口コミを見ると、慣れてきたとはいえ今でも心を痛めることもあるそうで、色々と考えさせられました。

それでも、牧場主さんはユーモアを交えながら半分笑い飛ばしつつ色々なエピソードを教えて下さりました。本当に人柄が良い。

中でも一番笑ったエピソードは、子連れの上品なおば様がやってきてアイスを買っていったと思いきや、ネットで口コミを見ると「蚊にたくさん刺された。もうこんなところ来たくもないので最低評価を付けます」。

なんで来たんだよ！wと突っ込まずにはいられません。蚊に刺されるのがそんなに嫌ならこの地球上で生きていくのが辛そう。

昨今色々と話題になることも多いですが、現代人はネット上での立ち振る舞いもいま一度見つめなおすべきでしょう。もちろんそれは私のような物書きにも言えることなので、特大ブーメランにならないよう気を付けなければなりません。

何はともあれ、身近にこういった施設があるのは良いですね。普通に生活してたら牛乳やアイスなどの食品がどういう過程で出てくるのか全く気にもしないですが、こういった施設を訪れると、私たちの生活がどれほど様々な方の努力に支えられて成り立っているかに改めて気付かされます。

周りの方の努力に日々感謝しながら、精進していきたいですね。あでゅー

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