カッチャトーレ/ときわ台
- 2021.02.07
- イタリアン・トラットリア 東武東上線沿線
誰もが行きつけにしたくなる
東武東上線のときわ台駅と上板橋駅のちょうど真ん中あたりに、この付近に住んでいる人なら知らない者はいないであろう、知る人ぞ知るイタリアンがある。それがここ「CACCIATORE(カッチャトーレ)」だ。
オープンはなんと1967年と非常に長い歴史を誇る名店で、地元の人々に愛されながら長く続いてきたんだろう、というのが店内に入るだけで伝わってくる。こういう店は素晴らしい店だと、さっそく私の直感が語りかけてきた。
ちなみに店名の「cacciatore」はイタリア語で「猟師」の意味だそう。
今の時期はテイクアウトもやっているそう。近くに住んでいれば、たまの贅沢におうちごはんが充実してよさそうです。
外観からして重厚な歴史を感じさせる佇まいですが、内装も素晴らしい。こんな黒電話も置いてあったりして、さながらタイムスリップした気分を味わうことができます。
店内の雰囲気。歴史を感じるシックな作りですが、手入れがしっかりと行き届いており、細部まで非常に綺麗に保たれています。とてもオープンから50年以上経った店とは思えません。
バケットとバター。バターが美味しくてついついたくさん食べてしまいますが、ここの料理はバケットと合うものばかりなのであとに残しておくことを勧めます。自制心が試されますね。
奥から時計回りに、「真鯛のカルパッチョ」「パテ・ド・カンパーニュ」「洋梨と生ハム」。オーソドックスな組み合わせですが、一つ一つの完成度が非常に高く、丁寧な仕事ぶりが垣間見えます。特に洋梨と生ハムが印象に残る一品でした。
ほたてとキノコのオーブン焼き。バターの濃厚な甘みとオリーブの香りが凄まじく、この組み合わせで美味くないわけがない。この時点でバケットを食べつくしてしまったのでおかわりしました。(自制心)
馬車に乗ったモッツァレラチーズ。アンチョビソースを塗ったパンでモッツァレラチーズを挟み、オリーブオイルで焼いて作るイタリアの郷土料理「モッツァレラ・イン・カロッツァ」です。
チーズ自体が超濃厚で美味しいのもありますが、全てのバランスが神がかっている。文句なしで本日一番のお皿です。今まで食べた馬車で一番旨いかもしれない。チーズが苦手でなければ絶対頼んでみるべき逸品です。
カイピリーニャ。ブラジルでよく飲まれているお酒で、ポルトガル語で「田舎の娘さん」という意味。ロックグラスにカシャーサというお酒とぶつ切りにしたライム・砂糖を加えて作ります。
カシャーサはブラジル産のスピリッツで、さとうきびの絞り汁をそのまま発酵・蒸留させて作るため、そのままで飲むと口当たりがやや重い感じがします。ライムと砂糖を加え、ロックで飲むと非常にさっぱりと、でもパンチの効いたお酒になります。
渡り蟹とトマトクリームのスパゲッティーニ。超濃厚なソースが太めもっちりなパスタとよく絡みます。渡り蟹が丸ごと入っているのもGOOD。これまたバケットがすすみまs…。
メニュー表にはないですが、「ザクロやフランボワーズのような果実感」と「少し甘め」で「さっぱりと飲めるお酒」が欲しいと言ったら作ってくださったオリジナルドリンク。
実は当店、奥の方にバーカウンタがあるのですが、バーとしての人気も非常に高い。お酒の種類が豊富なのもそうですが、おまかせで様々なドリンクを作ってくれるし、一度行った客の顔や頼んだものを覚えていてくれるそうです。
非常に足腰のしっかりとしたイタリアンです、長く続くのには理由があるんだなと感心してしまいました。
黒毛和牛のステーキ。肉自体が柔らかくてほのかに甘く、ソースの味付けも絶妙でシンプルに美味しい。ここまで食べて気付いたのですが、当店は素材の下処理と調理法がしっかりしており、またそれを活かすソース作りも非常に美味い。
締めはガトーショコラとコーヒーで。隣のバニラアイスがシンプルに旨かったのが印象に残りました。思い返せば濃いものをたくさん食べた気がしますが、胃もたれなど全くなく、そのあたりも感心してしまいました。
ご飯を食べるのもよし、仕事終わりに軽くお酒を飲んで帰るもよし、ハイブリッドな使い方ができる素晴らしい店です。こういう店を行きつけにしたいですね。
また絶対に来ます。あでゅー