果実園リーベル/渋谷

果実園リーベル/渋谷

パフェというより、もはや果物盛り。

金ちゃんでサムギョプサルを食べえもいえぬ気持ちになったあと、口直しのスイーツを求めてヒカリエの「果実園リーベル」までやってきた。

果実園といえば個人的に非常に思い入れのある店で、まだ私が大学生の頃、就活のために大阪からはるばる東京まで何度もやってきていたのだが、お金もないので往復5千円やそこらの格安夜行バスを何度も利用していた。そういうわけで新宿のバスタに良く出入りしていたのだが、当時から甘いものが大好きだった私は、すぐ近くにある果実園の新宿本店が夜遅くまで(23時くらい?)やっていたこともあり何度もお世話になった。

そんな果実園だが、つい最近ビルの建て替えに伴い本店が閉店してしまいものすごく心苦しかった。当時は東京駅と本店のみだったのだが、最近は出店を加速しており今では都心だけで10店舗近くあるという拡大っぷり。以前東京駅の店舗に行った際、本店とのあまりのクオリティの違いに愕然としたことがあり、それもあり本店の閉店が非常に悔やまれた。

今回はヒカリエ店へ初めての訪問なのですが、今はなき本店とのクオリティの違いを確かめるためにも意を決してやってきた。

池袋店なども含め新規開店の店舗はどこも同じようなデザインです。若者向けを意識したようなお洒落チックなデザインに清潔な内装。個人的には本店のような老舗感のある雰囲気が好きだったのですが、まあ仕方ない。

ヒカリエの一角に陣取っている店舗にしては奥行きが非常に広い。21時ごろに伺ったのですが、店内はほぼ満席。駅チカの立地で甘いフルーツが食べられるのはそれなりに需要があるのでしょう。ただ、本店のような大行列はありません。

メニューを見ると、2千円内外がメインの価格帯で良いフルーツになると3千円~4千円ほど。構成も含めだいたい以前と変わっていません。

コーヒーはセルフサービスだったのですが、300円で飲み放題。これはちょっぴり嬉しかった。

目当てにしていた桃とイチジクのパフェが売り切れていたので、メロン&マンゴーのパフェを注文。連れはイチゴのパフェです。どちらも約2千円。

メロン&マンゴーのパフェ。

イチゴのパフェ。

うん、悪くない。悪くはないのだが決して良くもない。当店の特徴はなんといってもフルーツの多さなのだが、もはやパフェというよりフルーツ盛り。果物がたくさん食べられる点では非常に良いのだが、カットや盛り付けが非常に雑だ。あと、果物の下処理も一切していないため、悪く言えば本当にただの果物盛りだ。噂によると本店には伝説のフルーツ職人がいたそうなのだが、やはり急な店舗拡大をするとそういう人間を確保するのも難しいのだろう。ただの素人が果物を適当に切り器に載せているのだと思う。その程度の仕事ぶりであれば正直自分でフルーツを買ってハーゲンダッツの上に山盛りにした方が安上がりだ。

今はもうないので比較検証をすることもできないのが残念だが、やはり当店も本店のクオリティには及んでいないと思う。果物切るのなんて誰でもできると思いがちだが、たかがカットにも職人の魂が宿るものである。

最近東京でも流行り始めた夜パフェ専門店だが、モモブクロなんかに出てくる極小のしょうもないパフェに2千円やそこら払うのであればこちらの方がずいぶんマシだが、何ともいえない気持ちになった。こういう類の職人芸の要求されるタイプの店は多店舖展開に非常に不向きなのだろう。するにしても、ゆっくりと人を育て慎重に進めていかねばならない。私の中で「果実園ブランド」が音を立てて崩れ去ってしまった。

駅チカの立地が多く22時くらいまでやっているので適当に時間を潰すのにはぴったりだが、これくらいのクオリティなら私は新宿タカノ本店一択かな。それか、自分で果物を買って家で食べます。

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