きりん寺／高田馬場

ついにこの日がやってきた。あの大阪の有名油そば屋「きりん寺（きりんじ）」が高田馬場に出店したのだ。関東第一号店である。きりん寺といえば、私が大阪にいた頃に通い詰めた思い出の店なのだが、油そばを人生で初めて食べたのもこの店だ。

麺珍亭の回でも言及したが、東京人は基本學会のような味の濃い油そばに慣れているため、どうもこの手のシンプルな油そばが物足りなく感じてしまうらしい。そういう意味では、シンプルで控えめな油そばに先に慣れた関西人は、どちらも好んで食べられるという幸せに浸ることができる特権があるのだ。

店頭からすでに懐かしい香りがする。凡そ７年ぶりくらいのきりん寺だ。

早稲田通りを少し歩いた先にあり、駅から10分もかからないだろう。駅の近くには早稲田の新入生らしき親子が物件探しに来ており、何やらすごく懐かしい気分になった。みんな油そばでも食って勉強頑張れよ。

ところで以前、同じく高田馬場にある「渡なべ」を訪れた帰りにこの店の前を通ったのだが、早稲田生らしき少年が「何この店、麺珍のパクリじゃんｗ」と言っていた。大阪から来たことを知らない者からしたらたしかにただのパクリにか思えないだろう。きりん寺には是非とも頑張ってそのイメージを乗り越えていただきたい。

相変わらずTKG食べ放題をやっていて安心した。TKGを頼むとタマゴも白飯もセルフで食べ放題という太っ腹ぶりである。お金のない学生からしたら夢のようなサービスだ。今は鳥インフルの影響で鶏卵も高くなってるもんですから、まさに身を切ったサービスです。

10分もかからないくらいで着丼。残念ながら麺が軽くふやけておりちょっと茹ですぎ。私レベルになると舌をつけなくとも分かります。

アツアツのうちに卓上のお酢とラー油をかけてグルグルとかき混ぜます。お好みで味変にニンニクや辛味噌を追加できる。

まぜまぜ。うーん、懐かしい＆美味い！麺の茹で加減が若干残念でしたが、昔と変わらぬ懐かしい味がしました。これだ、これこそが元祖油そばである。

もちろん學会には學会なりの良さがあるのでどちらも好きなのだが、東京にはこういうシンプルな店が少ないので非常に嬉しい。もう少し店舗が増えてくれると嬉しいのだが、それもこの店の繁盛具合にかかっているのだろう。応援しています！