まんてん鮨/大手町

まんてん鮨/大手町

鮨界の破壊的イノベーション

丸の内で屈指の人気を誇る鮨屋がある。それがここ「まんてん鮨」だ。当店で食べるには、現地に直接伺うかネット予約の二択なのですが、緊急事態宣言前であれば、一週間前には既に予約はほぼ満席、予約なしで直接伺うと平気で三時間待ちといったこともあるくらいの人気具合です。

今回はあえて予約をせずに平日の12時半ごろに伺ったのですが、運が良いことにストレートに入れました。もちろん店内は満席でしたが、多少は緊急事態宣言の効果が出ているのかもしれません。

ちなみに当店は二通りのコースがあり、予約ありの場合は夜に出る6,000円のコースが、予約なしの場合は3,000円のコースが注文できます。

今回は3,000円のコースを頂くべく、あえて予約をせずに伺いました。

しじみの一番出汁。しじみより出でて、しじみより濃し。不思議な感覚ですが、寒い中来たのもあってめちゃ旨い。五臓六腑に染み渡るとはまさにこのこと。

めかぶ。特に変わり映えはしませんが、導入にはぴったりな、オーソドックスなめかぶです。

さわら。寒さと空腹の頂点にいたためか、超絶美味い。皮目を軽く炙っているため旨味が重圧になっています。さっぱりとしたさわら特有の脂と口触りがクセになる。

ひらめのえんがわ。軽く炙っており、表面には塩が振ってあります。これがもうめちゃくちゃ美味い。序盤に食べたのもあると思いますが、本日一番の皿。

かつお。鮮やかな赤色がしゃりに映える。新鮮な食感を残した淡い締まり具合が、私の好みど真ん中です。

えのきの昆布締め。やや雑な仕事が気になりましたが、えのきのほど良い締まり具合とすり下ろされた柑橘系の皮が、脂ものでねっとりした口の中をリセットします。

赤身のヅケと中トロ。ヅケはカツオの鮮やかな赤色と比べるとややビジュアル的に見劣りしてしまいますが、味は本物です。中トロの脂のノリ具合も絶妙で、まさに王道を行く旨さです。

生ほたて。表面の塩が相当良い仕事をしており、食感はプリプリしゃくしゃくでマジ美味い。久しぶりにこんな美味いほたて食べた気がする。

口直しの葉わさび。わさび特有のツンとした香りが良い箸休めになります。

煮あわび。ぎょえええええ。まさか3,000円のコースでこのポーションのアワビが出てくることを誰が想像できるでしょうか。食感や味も文句なしで、普通の鮨屋ならぶっちゃけこれだけで3,000円は取ってくるんじゃないでしょうか。

イクラ丼。軍艦ではなく丼モノになっているため、一般的な軍艦の2~3倍は乗ってそうな勢い。当店の気前の良さをビンビン感じます。

たらこのわさび漬け。魚卵に続く魚卵です。なるほど確かにわさびのさっぱりとした香りが良い具合にたらこの風味とマッチしており、こんな組み合わせもあるんだ、と素直に感心してしまった。

こちらも大ポーションの冬のバフンウニ。とにかく濃厚で、決して安物のウニではありません。このあたりから、「え、コースはそろそろ終わるんだよね?」とか思っていたのですが、まだ終わる気配がありません。本当に私が頼んだのは3,000円のコースなのだろうか…と若干会計が心配になってきたのもこのあたりです。

ねぎとろ。当店は玉ねぎのザク切りを使用しており、しゃくしゃく感とトロのねっとり感、ノリのパリッと感がクセになる食感を演出しています。

先のシジミが形になって大量発生しました。とにかくシジミが多すぎて、汁を飲もうにも一苦労するほど(もちろん褒めています!)。

穴子。タレ控えめで、穴子本来の味わいというか、存在感がものすごく際立っています。これはこれで好きだ。

ギョク。甘みがありカステラに近くもたまご本来の味わいを残しています。

かんぴょう巻き。シャリの量は控えめで、食べやすくまとまっています。

いちごで締め。さっぱりとした酸味が口内をリセット、ご馳走さまでした。

先述の通りお会計に一抹の不安を覚えましたが、消費税込みできっちり3,300円でした。これだけの量の、しかもそれぞれしっかりとしたクオリティのネタを頂いて3,300円しか落とさないのはむしろ罪悪感を感じてしまうほど。

これが近くにあれば恐らく週一で通ってしまうでしょう。店名の通りまさに満点です。この店を嫌いな人はこの世にいないんじゃないでしょうか。超気に入ってしまったので、定期的に通いたいと思います。

普段使いはもちろん、本格鮨を味わってみたいけどちょっと高いんだよな…という方にとって、当店は入門編にぴったりなんじゃないでしょうか。本当におすすめです。

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