最近噂のスシローが劇的進化していた件

最近噂のスシローが劇的進化していた件

スシローに学ぶ「物価とは何か」

最近話題のスシロー。ペロペロ小僧が良くないことをしたのは同意できるが、たかだか中学生の本名をSNSで嬉々として晒しあげ、卒業アルバムまで引っ張ってきて寄ってたかっていじめるのはどうかと思う。中学生にもなればある程度良心が育っていて欲しいのも分かるが、多感な未成年の一時の過ちで一生ものの傷を負わせることは、非行少年を育む構図を生み、社会全体で見てもよろしいことではないように思う。過ちを起こしても更生させられることが大切なのだ。ことが殺人など大事であればまた話は別だが、正直このくらいであれば、許してやる必要はなくてもそろそろ放っておいてやるのが吉だろう。

他にも色々と思うことはあるのだが、スシローは純粋なる被害者であることは変わりない。今回は助けてあげたいという気持ちというよりは、個人的に気になる、あるコラボをやっていたので久しぶりに行ってみることに。

まずは赤身。いつのまにか一皿150円~になっており、50%の値上げは想像以上に高くなった感覚を感じさせる。魚類はまだしも、私の大好きなカニサラダなんかは、同じ値段なら当然魚を食べたいと思うので相対的にもっと高くなったように感じてしまい頼む気になれなかった。まあ、元が安すぎただけなのだが。

それにしても、スシローの赤身ってこんなに美味かったっけ?

たまたま良いネタに当たっただけかもしれないのであまり気にも留めずに食を進めていると…

ネギトロ軍艦。ねっとりとした脂が口の中一杯に広がる。

…ん?この辺りでさすがに違和感が確信に変わる。ネタのクオリティが50円を優に超えるレベルで見違えるほど変わっている。

百円寿司のいわしなどの青魚は美味しいことには美味しいのだが、基本どれも生臭さが残っているものが大半だった。それが今日は全然クサくないのだ。

甘エビ。このビジュアルをみて欲しい。以前はもっと小さな、いかにも出来損ないのような海老が乗っていたのが、今回はまあ立派な甘海老だ。

そして極めつけはこのブリである。見た目から分かると思うのだが、脂のノリが素晴らしいばかりか、くさみもなく、正直バカ美味い。これが150円で食べられるとは、何という奇跡だろう。このブリに感動し何皿も食べてしまったのだが、どの皿も変わらぬクオリティで非常に美味しかった。

炙りブリ。特大のブリが炙られています。控えめな脂が香ばしい香りを放ちなんとも上品な仕上がりになっています。

本日のお目当て、池袋の超人気カラシビ味噌ラーメン店「鬼金棒」コラボのラーメンです。コラボあるあるですが、テイストは本家とは全く異なり八角が良く効いています。ですがこれはこれでアリ。辛さは三段階で選べるのですが、家庭向けチェーンということでそれほど辛くないだろうということで三カラを注文しました。想定通り程よい辛さです。

最後は私の大好きなミルフィーユで〆。

最近読んだ渡辺努さんの「物価とは何か」という本で、デフレが長く続く日本の構造的問題を取り上げていたのですが、その中で、「緩やかなデフレが長く続いても、それが心地よいのであれば問題がないのではないかという意見もありますが、それは違う。(中略)私は、日本企業が商品の値段を据え置くために、心血を注いで努力をしている姿をみて違和感を感じます。後ろ向きに途方もない努力を注がざるを得ないところにデフレの問題点があります。日本全体で前向きに努力の方向を向けることができれば、もっと良い方向に変わっていくはずです。」という論考を見てハッとさせられました。

そういう経緯もあり、今回スシローで世の中も徐々に変わりつつあるというのを実感しました。仮に50%もの値上げをしようが、これだけクオリティが上がれば問題なしという風潮を世の中全体で作り上げていくことが重要なのではないでしょうか。

私は飲食店のこのような涙ぐましい努力をどうか前向きに評価してあげたいと常日頃思っています。また、渦中のペロペロ小僧も、そろそろ放っておいてやり、もう一度人生をやり直すチャンスをあげようではないか。そういった良い意味で寛容な世の中を創り上げていくのも、エネルギーのある前向きな日本にするための、私たち消費者の使命だと思っています。

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