夏目亭/神楽坂

夏目亭/神楽坂

気取らない路地裏の名店

神楽坂の路地裏にある隠れた名店にやってきた。普通の安っぽい戸建てマンションのようなビルに入っており、外から見てもレストランがあるようには到底見えない。

定員4名の極小エレベーターに乗って上階まで行くと、急にお洒落な落ち着いた空間が現れた。

ビストロ「夏目亭」だ。ランチでは2千円台から、ディナーなら6千円台からコースの用意があり、神楽坂という立地でこの落ち着いた空間を考えると非常にリーズナブルな価格設定である。もちろんコースではなくアラカルトでの注文も可能だ。今回はランチでの訪問。

ランチではサラダとスープ・メイン・デザートとコーヒーのついたAコース(2,750円税込)と、Aコースのサラダが前菜盛り合わせに代わったBコース(3,850円税込)の二種があり、今回はBコースを注文。

一皿目。冬瓜の冷たいスープとコンソメジュレ。冬瓜の冷たいあっさりとした甘さとコンソメジュレのコクが合う合う。夏にぴったりの提案ですね。食欲が加速します。

続いて前菜盛り合わせ。

野菜のオムレツ。手前からにんじん・エンドウ豆(?)・トランペット茸を使用したオムレツで、非常にフワッとしており甘くておいしい。色合いも鮮やかで、個々の食材ごとに風味もしっかり際立っています。イかしたプレゼンテーションだ。

テリーヌにマスタードソースを添えて。

一口食べてみて仰天、このテリーヌタダ者じゃないぞ。非常に濃厚で食べ応えがありつつも全くクサくない。そして外側の白い部分?がコリっとした食感となっており、程よいアクセントになっている。またマスタードソースとの相性が抜群で、あまりの美味しさに5つくらいはいけそう。

ビストロの前菜でテリーヌはよくある提案なので多少気を抜いていましたが、これはたまげるほどうまいです。これだけのためにまた当店に来たいと思えるレベル。ワインなんか片手にこれつまめると最高でしょう。1,000円以上の価値は絶対にあるので是非AコースではなくBコースを頼みましょう。

そして嬉しい誤算がパンが付いてきたこと。しかも手抜きなどしておらず、焼き立てアツアツで小麦の良い香りのする、キチンと美味しいパンです。外はカリッとハード系のパンで、少々形の変わったフランスパンのようなパンです。上のボコッとした部分がクッキーのようで美味しかった。

メインは魚と肉から選べますが、肉をチョイス。松坂ポークのロースト 香草風味のソース。ポーションが非常に大きく、ジューシーで食べ応えがあります。ソースと味付けに妙あり、といった感じで、さすが食べログ百名店にも選出されたビストロというだけあって、ソースが美味い。

こちらは連れの頼んだ魚のメイン。太刀魚の天火焼き ビーツのヴィネグレット。皮の香ばしい焼き目とジューシーな太刀魚、酸味のあるビーツのソースが素晴らしいハーモニーを奏でている。やはりソースのレベルが高く、バランス感覚に非常に優れています。

デザートの焦がしクリームキャラメル。純喫茶に出てくるような昔ながらのプリンのような見た目ですが、決してプリンとは呼ばないところに、ビストロとしての良いプライドを感じます。ビターな焦がしキャラメルの程よい苦みとクリームの甘みがこってりとした口の中を浄化してくれます。

また、写真奥にあるフルーツが冷凍ものではなく、きちんとしたものを使用していたところも個人的に好感度アップ。

最後はコーヒーで〆てご馳走さまでした。

全ての皿がきちんとしたクオリティがあり、前菜・スープからメイン・デザート・コーヒーと一通り楽しめてこの値段で頂けるのは非常に良いディールです。店内の雰囲気も素晴らしいので、大切な人とのデートはもちろん、学生やマッチングアプリなんかで初めて会う様子見デートなんかにも最適なんじゃないでしょうか。

アラカルトのメニューもひと手間加えた気になるものが沢山あったので、今度は夜にふらっと来てみよう。

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