ル・タン・ペルデュ/伏見

ル・タン・ペルデュ/伏見

伝統と創造性が見事に調和した費用対効果抜群フレンチ

Le Temps Perdu(ル・タン・ペルデュ)はフランス語で「失われた時間」という意味。”時を忘れるような空間を、大切な人とともに”というメッセージを込めた店名である。

なるほど店名の通り、お品書きの表紙には当店の可愛いロゴと当日の日付が刻印されています。(日付にはモザイクを入れています。)

店内は温かみを感じる空間になっていてとても居心地が良い。当店のシェフは八事のシェ・コーペ(Chez KOBE)でキャリアをスタートさせたのち2009年にフランスで武者修行を経ています。

飲み物は葡萄ジュースを注文。当店はワインに相当力を入れているようで、PB(プライベートブランド)モノもあるようです。本当はペアリングを頼みたかったのですが、大の下戸であるため断念。フレンチを食べるときは飲めない自分を特に恨みたくなります。。。

最初に4種のスナック。エビ風味やチーズなど様々です。演出が何やら豪華である。

アミューズ1口目。土台はなんとエアリーなメレンゲで、フォアグラを三河の穴子で挟んでいる。珍しい組み合わせやな。穴子とフォアグラの濃厚な味わいがふわふわのメレンゲと調和しており、食感まで楽しめる。

アミューズ二皿目はズワイガニを使ったロワイヤル(洋風茶碗蒸し)、上にはキャビアも乗っており視覚的にも豪華な一皿である。カニの風味が強烈に感じられる。

愛知県は北東部に位置する設楽町で獲れる絹姫サーモンを用いた前菜1皿目。サーモン単体でも非常に大ぶりで美味なのですが、手前にみえる細かく刻んだじゃがいものフライと下に敷き詰められたビーツが非常に良いアクセントになっていた。本日イチのインパクト皿。

調べてみると設楽町は内陸部で、サーモンなんて獲れるんかいなと思ったら当地で養殖をしており、絹姫サーモンは地元の名産品になっているそうです。名前も可愛いしセンスフル。ふるさと納税の返礼品にもなっているので頼んでみようかなあ。

パンは普通。はじめに出されたパンは冷めて硬かったが、お替りのパンはアツアツで美味かった。

机の中央に何やらお洒落な箱があると思ったら中にはバターが。こういう凝った演出、嫌いじゃありません。

前菜2皿目、三陸産のホタテのソテーをローストポークで包みツブ貝のソースで。写真の見た目からは分かりづらいですがホタテは非常にポーションが大きく食べ応えのある一皿です。包んだ豚が良い感じにボリューム感を引き出しており、食材だけ見るとアンバランスな印象を受けるが非常に調和のとれた一皿に仕上がっている。いやー、おったまげた。

きのこと伊勢海老の和風リゾット。多種のきのこがふんだんに使われており、伊勢海老のポーションも大きい。各々の食材本来の風味が強く感じられ、それでいて全体としてバランスがとれています。連れが選んだ本日一番の皿。

魚料理は沼津の姫鯛と菜の花のソース。余計な手を加えずウロコ焼きにされており、バリっとした食感とフワフワの鯛の身がシンプルに旨い。

メインは仔羊をシンプルにソテーで。基本的にジビエはクサみが出やすいのですが当店のそれは全くクサくなく、それでいて肉自体の味が濃い。手前のマスタードのソースと合わせ大ぶりで柔らかいお肉を平らげた後は付け合わせのコロッケとレンコン。こちらもサクサクフワフワでシンプルに旨い。

お口直しは東浦町のシャインマスカットとグラニテ。さっぱりとした甘さが口内をリセット。

メインのデザートは豊橋の安納芋を使った一皿。イモの皮を模したほんのり甘いチップスの下にアイスクリーム。この食べ合わせが非常に旨く、視覚的にも楽しめる〆に相応しい逸品だ。ホタテと悩んだが僅差で本日一番のお皿。

食後はなんとコーヒーではなく水出しの中国茶(東宝美人)。すっきりとおいしくいただきました。

ミニャルディーズも一切の手抜きなくどれもうまい。個人的には右から二番目のチョコで包んだ焼き菓子が好きだった。

机の上を陣取る謎の鳩(?)

お土産としてお洒落なカードとともにマカロンを頂きました。お仕事のお供にしよう。

これだけ食べてお会計はドリンク込みで一人当たり1.5万円弱。参考までに、私は葡萄ジュースを2杯、連れはワインを2杯飲んでいます。これだけ高品質な食材が、それもひとつひとつのポーションが大きかったのにも関わらずこの値段というのは奇跡に近いです。何より根本的にすべての皿がキチンと旨いのが凄く良い。

料理は全体的にソースを前面に押し出すのではなく、あくまで主役の味を引き出すような工夫がされているように思う。そういう意味では日本的なフレンチともいえるだろう。

また接客も非常に和やかで好感が持て、予約も取りやすいため名古屋でクールにキメたいときに非常に重宝しそう。非常におすすめです。

ちなみに1Fは当店がバー営業をしており、非常にクールでおしゃれな雰囲気が漂っています。お電話下さればすぐに席を用意します、と言っていたため比較的今は席を取りやすいんじゃないかな。当店は料理のクオリティはもちろん、アルコールにも相当力を入れておりバーも非常に期待できます。2F同様デートに最適なんでないかな、知らんけど。今度はバーも行ってみよう。

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【食後のひととき】

食後の散歩に最近リニューアルオープンしたと話題のテレビ塔。改装前はこれと言って何のとりえもないただの塔だったものがここまでお洒落に生まれ変わるものかと。名古屋にもようやくお洒落な波がやってきた感があります。

ドリンクを買って芝生でゆっくりするのが最高に気持ちいいです。

たまに赤くなるやつ。東京●ワーみたい。。。